『椿屋劇場』@薔薇とダイヤモンド

momomo22005-09-18

『予感を確信へと塗り替える、センセーショナルな 2nd Album。』
今回コメントする椿屋四重奏のニューアルバム『薔薇とダイヤモンド』の帯に書かれていた言葉なのですが、この言葉がすべてを物語ってますね・・・。
 今回のアルバムで彼ら(中田裕二)のやりたかった新しい『艶ロック』の世界が見えてきた感じがします。これまでの『和』にこだわった独特の世界観も良かったと思いますが、その世界だけではやはり表現できるものが制限されてしまうのは仕方のないこと。いわば彼らの有り余る表現力を抑える事が出来なくなってしまった結果が、今の姿だと思います。アルバム通して聴いてみれば解ると思いますが、とにかく『生き生きしてます!』(特に中田裕二)先行シングル『紫陽花/螺旋階段』から、バンドもサポートギターにヤスタカさんが加入し、演舞では鍵盤も入ったスタイルに変更。つまりバンドとして厚みと音の拡がり感が増しました。これに関しては当時賛否両論ありましたが、結果としてはいい方向に進み、結果として今回のような素晴らしいアルバムが出来たことは間違えありません。その中でも特筆すべきはやはり『メロディー』が抜群にいいこと。特にそれぞれのサビの部分なんかは鳥肌が立つくらいです。(私特有かもしれませんが、いいメロディーに出会うと震えが来て鳥肌が立ちます…。それだけツボに来たという事ですね。)そしてそのメロディーも紐解けば彼らが影響を受けてきた数多くのミュージシャン達へのリスペクトが込められていて、各曲に上手く散りばめられています。そしてそれを『艶』のある声で歌い上げる『中田裕二』。これ無しでは決して完成しないこのバンド。雑誌でもよくコメントしていましたが、目指すところは『歌謡ロック』。つまり『歌』の表現力という新たな武器を手に入れた『椿屋四重奏』の今後がほんと楽しみです。
 さて、そんな『艶ロック』第2章の始まりを告げるこのアルバム。オープニングはその名の通り(1)『プロローグ』先行でPVカットされていたので、耳にする機会も多く、そのさわやかな旋律にアルバムの方向性などを勝手に妄想していましたが、まさにその通りで、歌詞からも解るように『自分の目指す新しい世界へ旅立つ決意の歌』でありアルバム一曲目にふさわしくまさに序奏です。ちなみにこの曲の間奏でのギターの掛け合いは、演舞での聴き所の一つになると思います。中田さんとヤスタカさんの激しい掛け合いが見たいです…。続いては(2)『手つかずの世界』(3)『砂の薔薇』この2曲はこれまでの椿屋スタイルを踏襲した楽曲で掻き鳴らされるギターのカッティングと耽美な詩の世界。まさに真骨頂といえる楽曲です。特に「砂の薔薇」などは絶対ドラマの主題歌的楽曲ですね。(金曜10時ぐらいがいいかも…笑)続いてはシングル2曲で(4)『螺旋階段』(5)『紫陽花』ですが、これらに関してはこの日記でも散々コメントしてきましたが、今になってあらためて、この2曲の『歌』としての表現力はすごいと思っています。(自分で歌ってみて初めてわかりました…)それとこの曲順も絶妙ですね。とにかく次の6曲目からすごいことになります…。
 ということでその6曲目。華やかなキーボードの旋律で幕をあける(6)『熱病』ここからは怒涛の歌謡ショウの始まりです(笑)でもこの曲かなりお気に入りです。(ちょっと安全地帯入ってますがリスペクトという事で…)先に述べたサビのメロディーラインは私世代(30代)には涙ものではないでしょうか?そして(7)『踊り子』は今回唯一予想の出来なかった曲。タイトルイメージは淡いバラードかミディアムロックかと思ったのですが、全然違ってバリバリのロックンロール。ギラギラした詩の世界観がまたぴったりで曲は王道だが異端な感じがまた椿屋の魅力の一つですよね。演舞では踊りましょう!次はリスペクトソング第2弾(笑)の(8)『朱い鳥』前奏聴いた段階でまず「イエモンだ…」歌い方も「イエモンだ…」そしてサビも…?あれ?「竹内まりや!」面白い曲ですね。でも全体通してやっぱり一つの『艶ロック』に仕上がっているのが憎いところ。歌い込んでる中田さんがまたいい!これも好きな1曲です。(9)『君無しじゃいられない』これは意外な一曲でしたね。グラムロックの影響を受けた中田さんからすれば当然の作品だと思いますが、もちろんこれまでの「椿屋コンセプト」には無い作品。もちろん『シャウト』や『イェイ!イェイ!』などはお初。でも最近の演舞では、余裕もって歌に専念できる事もあるので、こういう盛り上がる曲も必要なんですね。つまりこれも新しい『艶ロック』の真髄なのでしょう。でも演舞では絶対ギターもって『T−REX』ばりにシャウトして欲しいです。そして最後は(10)『陽炎』先日のスペシャSTUDIO GROWN』での弾き語り見事でしたね。あれを聴いてからこのアルバムのアレンジを聴いたのでヴァイオリンが加わった分さらに刹那さ(切なさ)が増して奥深さがアップしています。注目は何度もコメントしましたが、『中田裕二の表現力』。以前行われた『MEGA☆ROCKS』でのソロアコースティックライブ(シークレット)で私達に見せ付けてくれたあのステージが蘇ると共に、こうして毎日音源として体感できるのは幸せな事です。
 さて、このアルバムを引っさげての椿屋四重奏コンサートツアー2005『ROCK ON GENTLEMEN』本当に楽しみです。今回は10月12日(水)盛岡club changeへの参戦予定です。

薔薇とダイヤモンド

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